博士の愛した数式
「博士の愛した数式」の主人公は不慮の交通事故で、記憶が80分しかもたない寺尾聡扮する天才数学者と彼を世話する家政婦、そしてその息子の物語。博士は 記憶がなくなり何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。友愛数を「神のはからいをうけた絆の数字」。√は「どんな数字でも嫌がらずに 自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号」なんて言い方をして、数式は美しく、キラキラと輝く素敵な世界なのだと教えてくれる。原作は小川洋子の100 万部を超えるベストセラーの映画化。本屋が読んで欲しいと願い、誇りを持って薦める本に贈る第一回本屋大賞を受賞している。原作の潔い、敬う、慈しむ、毅 然などの美しい日本語を映像として表現したのは「雨あがる」「阿弥陀堂だより」の小泉堯史監督と、巨匠黒澤明監督の流れを汲む人々。厳しくも優しい、人を 愛することの尊さを問いかける日本映画。フィクションみたいな残酷な現実が日々起こっている今、この映画はいつまでも心に残る暖かく優しい気持ちにさせる 感動作。なくなりそうな日本人の心をもう一度考えさせてくれるそんな映画なのです。
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