武士の家計簿
数学というと、「勘弁してちょうだい」と「ふふふ・・得意だぜ!」の二つに大別できると思うが、どちらかというと「勘弁」派が多いのでは。でも、まわりを見渡せば見方によっては世の中は数学で動いている。映画「武士の家計簿」は江戸時代の「ふふふ・・得意だぜ!」派のお話。といっても江戸時代から盛んだった関流など、和算のお話ではない。どちらかと言うと刀をソロバンにかえて殿様に仕えた、いわば経理マンのお話。武士は、べつに剣術ができれば出世できたわけではなくて、こうした算術に長けた物も、もちろん必要としたわけで、ましてや徳川幕府の太平の世では剣術よりもソロバンが達者な方が必要なのは充実した社会では当たり前のこと。この映画は時代こそ江戸時代末期、幕末の激動期のお話だが今こそ、この主人公の家族の日々が、これからの私たちの生きていくための指標になっているような気がしてならない。志だけでも心に留めたい良い映画です。
「武士の家計簿」
幕末から明治維新の激動期を背景に、御算用者(会計処理の専門家)として代々加賀藩の財政に携わってきた下級武士の猪山直之が、家財道具を処分し、倹約生活を実行しながらも、妻と協力して家族を支え、家芸を守りながら力強く生きていく姿を描く。
監督:森田芳光
出演:堺雅人 仲間由紀恵 松坂慶子 西村雅彦 草笛光子 中村雅俊
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