2009年12月28日

さようなら牛せん

Filed under: 今日のダニー — Cinamedict @ 11:31 PM

東奥日報にも載っていたが、青森新町の「牛せん」が30年の幕を閉じた。閉店する今日、混んでカチャクチャネー時とは知りながら、山猫の半割りの前割と、もう一本焼酎さげて、あいさつにゆく。迷惑になると思い行かないつもりだったんだが、なんかけじめをつけたくて三時過ぎに、あいさつだけしてきた。店主の”センボ”さんには子供の頃から世話になっていて、娘もここの大ファンだったので親子三代のファンなのだ。
思えば、昔々シネマディクト(当時は奈良屋劇場)の近くにあった日活レジャーセンターがオープンした時、地下の食堂街にできたのが、青森市で味噌ラーメンを最初に紹介した”五右衛門ラーメン”(って夜店通り出身の映画監督!及川さんが言っていた)と”あき”という洋食屋と喫茶店。そこの”あき”をやっていたのが”センボ”さんだった。本当は”せいぼう”なんだが津軽弁で”センボ”。”五右衛門ラーメン”も及川さんだけでなくて僕も相当衝撃的だったけれど、”センボ”さんが作る洋食は、もっと僕には衝撃だった。カレーやトンカツや丼物なんでも美味しい。僕のデブ原因の根底はここにあるのかもしれないほどだったのだ。父に連れられ日活レジャーセンターで「寅さん」見た後、豚バラの塊がとろけるカレーをよく食べた。その後、橋本の三井生命ビルの地下に移って、その後が「牛せん」となる。今考えると店が変わるたびに、カレーが変わっている。作家、開高健が言う所の”知の悲しみ”ではなく、確実にセンボさんのカレーは変わってきた。前にそのこと聞いたら「めぐねば、おもしぇぐねべ。わ、めもの好ぎだんだね」って言っていた。なるほど常に進化してる感じ。もちろんカレーだけじゃない、モツ鍋なんかも秀逸だったし、なによりも大人のお子様ランチ!牛せん弁当のB(通称B弁)何個食ったことか。それも今日で終わる。新町の松木屋方面の火が消えるみたいに。本物がまた消える。松木屋がなくなって、鶴がなくなって、みすずコーヒーやおきな屋が移転して・・・さみしいなー。
でもセンボさんの味が消えるわけではない、来年他の場所で復活するみたいなんで、そこのところは安心だけど。正直に言うと最後にカキフライカレー食いたかった。

ccopyright©2001Cinema dict シネマディクト