カツ丼
なにをかくそう、(かくしてないが)カツ丼が好きだ。子供のときから、とんかつが好きで、父親からの馴染みの本町の「喜多八」の真夜中のヒレカツ定食や新町の「亜希」のカニコロッケやスタ弁、「牛せん」のB弁やカキフライ・カレーとメタボなメニューがならぶが、好きなのだからしょうがない。(最近はホドホドにしています)昔、東奥日報に書いていた自分のコラムで、映画のこと書かないで、いきなり「カツ丼が好きだ」というタイトルでいかにカツ丼が好きかを書いて、担当の阿部ちゃんをこまらせた。弟が病気で入院したときは”カツ丼断ち”して平癒を願い、コウカテキメンで彼は今は元気でいる。まぁそれだけカツ丼が好きだ。昔だったら、夜店通りの国道はさんで山手にあった「清和園」というお蕎麦屋さんのカツ丼が好きだった。今は、シネマディクトのひとつ海側にある通りの「勝むら」のカツ丼が好きだ。でも、なんとその「勝むら」が、この9月20日で休業するという。なんということだ。これは個人的にだが、食の危機だ。まともな職人が作った食い物をそのうち食えなくなるのではないだろうかという、漠然とした不安が心のどこかにある。寿司にしろ、カツ丼にしろ、郊外のチェーン店におされ休業を余儀なくされて、気がついたら大量生産の”エサ”みたいなものしかなくなったらどうなるのだろう。漠然とした不安が現実になりつつある。今日もお昼に「勝むら」に行ってカツ丼を食う。おいしかった。でもまだお別れしたくないので、おやじさんに「また来ます」と言って気分は「網走番外地」「幸せの黄色いハンカチ」でみごとなカツ丼食いを見せた、カツ丼界のスーパースター高倉健(カツ丼抜いても普通に大スターですが)の哀愁を漂わせ店を出た。