99歳の真髄
新藤兼人監督は巨匠・溝口健二監督に師事してシナリオライターとして活躍、マキノ 正博、松田定次、木下恵介、成瀬巳喜男、吉村公三郎、三隅研次、川嶋雄三、増村保造、野村芳太郎、市川 崑、深作欣二など、キラ星の如く日本映画界の監督と仕事をしていると言ってもいいくらいの大シネリオライターである。監督としても「午後の遺言状」「裸の島」など妻・音羽信子と共に日本のインディペンデントの先駆けとして日本映画を引っ張ってきた正真正銘の映画監督。
ヨワイ98歳で製作された「一枚のハガキ」は、もちろん脚本・監督作品である。32歳で召集された新藤監督の実体験をもとに、選択権なしに戦争へと駆り出された庶民と、残された家族の悲しみを真正面からとらえた戦争の愚かさと反戦をうたった力強いヒューマンドラマ。
日本映画製作者連盟によって選ばれる米アカデミー賞外国語映画賞部門への出品作品。今年は22作品の中から、邦画界現役監督最高齢となる99歳の新藤兼人監督作品『一枚のハガキ』が日本代表作品に決定した。
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