ノザック・コラム アフタースクール
映画の神様といわれたマキノ省三の名言で「一ヌケ、二スジ、三ドウサ」というのがある。一ヌケとは映像が鮮明でなくてはいけない=キャメラのこと、ニスジは物語の筋=シナリオ、ストーリーのこと、三ドウサとは、演出や俳優の演技のこと。映画の黎明期、明治時代、技術的に鮮明な映像を撮るのは技術や経験が必要で映画作りは、まずは映像だった。時代が進むにつれて大正末期には一スジ、二ヌケとなって、現代では映像技術の進化でヌケという言葉も死語になり一スジ、二ドウサが映画制作の基本と言っていい。おもしろいストーリーと人気の役者が、そろっていれば言うことはない。そんな映画が「アフタースクール」。デビュー作「運命じゃない人」で、いきなりカンヌ映画祭や数々の賞をもらった内田けんじ監督・脚本の最新作は、大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人という、人気の実力派俳優をそろえて、登場キャラも観客も一緒になって騙される不思議で痛快な作品。
「アフタースクール」ロードショー公開中!
監督:内田けんじ
出演:大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人
30代になった、かつての同級生たちが織り成す“大人の放課後”を、細部まで練り込まれた脚本と巧みな構成で描く。予測不可能な展開で観る者を翻弄する新感覚エンタテインメント。