2009年4月10日

ザ・ムーン

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 7:58 PM

宇宙、それは最後のフロンティア・・・
これは、アメリカの人気TVシリーズ「スタートレック」の冒頭で言われるセリフ。
人類は大昔から冒険と富を求めて新開地を目指し、大海原へ乗り出し、新大陸を発見し、人をよせつけなかった山々やジャングルを征服して、もはや地球上には、未開の地・フロンティアは、なくなってしまった。そして人類は宇宙を目指す。映画「ザ・ムーン」は、そうしたフロンティア、「宇宙」を目指した人々の苦難の道のりと感動の姿の記録。NASAによる貴重な未公開映像や、月面に降り立った宇宙飛行士たちのインタビューなど好奇心と勇気と栄光を求めて危険と隣り合わせの宇宙に果敢に挑戦した人々の感動の一大エンタテインメント・ドキュメンタリー。地球をいでし者たちだからこそわかる、この星の美しさ愛らしさ。生命にあふれた奇跡の星・地球とそれを見つめる月を“観る”のではなく映画館で“体験”してください。
NASA提供による初公開の映像や、アポロ計画で月へ向かった10人の宇宙飛行士たちが当時の体験を語るドキュメンタリー。
監督:デビッド・シントン
提供:ロン・ハワード
4月11日~4月24日までシネマディクトにて上映

2009年3月15日

羅生門

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 12:36 PM

エジソンやルミエール兄弟が映画を誕生させてから百年以上の歳月が経過した今、映画も絵画や文学と同様に名作と呼ばれるものが数多く存在する。その中で日本を代表する映画の名作とは一体どの作品かといえば、まずは黒澤明の作品があげられることには異論はないとおもう。その中でも1950年(昭和25年)に公開された「羅生門」は翌年、世界最古の歴史を持つ映画祭であるヴェネチア国際映画祭でグランプリ金獅子賞を受賞し、世界に黒澤明や日本映画が紹介されるきっかけとなった。その「羅生門」が、日米共同による研究チームによってデジタル復元された。
世界を驚かせた宮川一夫のキャメラ、対立する複数の視点から同じ出来事を全く違う風に回想し、真実がどうだったのか観客を混乱させる、その後ラショウモン・スタイルという言葉さえ生まれたストーリー展開など、まさに日本が誇る世界映画遺産といって良い作品を映画館のスクリーンで是非。
「羅生門 デジタル完全版」
“世界映画遺産”甦る。 映画史上に燦然と輝く日本映画の至宝、『羅生門』がハリウッドの最高技術でデジタル復元! 半世紀以上の時を経て、公開時と同様の美しい『羅生門』が今、鮮やかによみがえる!
監督:黒澤明
脚本:黒澤明、橋本忍 撮影:宮川一夫
出演:三船敏郎、京マチ子、森雅之

 こんくらいちがいます

2009年2月3日

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 8:55 PM

マーティン・スコセッシは、名作「タクシー・ドライバー」の監督であり、最近では「ディパーデット」でアカデミー賞監督賞を獲得した現役バリバリの名匠だが、もう一つの映画監督の顔がある。それは音楽映画の天才なのだ。古くはザ・バンドの「ラスト・ワルツ」、マイケル・ジャクソンのミュージック・ビデオ「Bad」、ボブ・ディランの「ノー・ディレクション・ホーム」など数々の音楽映画の名作を作り続けてきた。ブルース、ロック、ジャズと、ジャンルにこだわらない、まさしく音楽を愛している監督でもある。その彼がロックの神様たち!ローリング・ストーンズのライブを映像化した。普段のツアーでは5万人以上のスタジアムで演奏している彼らを、3千人規模のシアターで演奏させ、もっと肉薄した臨場感いっぱいのライブ映像で、本物のローリング・ストーンズに「シャイン・ア・ライト」“光を当てている”。“物凄く”かっこいいです。
「ザ・ローリング・ストーンズ 
シャイン・ア・ライト」
2006年秋、二ューヨークのビーコン・シアターで開催されたザ・ローリング・ストーンズのライブを、あらゆる機材を駆使し、コンサートの全体像から舞台裏までを織り交ぜて撮影。アカデミー賞受賞監督であるマーティン・スコセッシ監督と世界最強のミュージシャン、ザ・ローリング・ストーンズが創り出した21世紀最高のライブ・エンターテインメント。
<2月13日までシネマディクトにて上映>

2009年1月8日

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 10:10 AM

今の世の中を見渡すと、昨年のアメリカ発の金融破たんをきっかけに、大変な不況がやって来て、私たちの生活に閉塞感とか生活不安とか、あまりよろしくない事ばかりがおこるような報道ばかり。日々穏やかにすごすためにはどうしたら良いのだろうか。750年前の乱世の鎌倉時代に生きた人々に、希望と生きる勇気を与え続けた道元禅師の「禅」の教えに、その答えがあるかもしれない。
「只管打坐」(しかんたざ)。喜びも苦しみも涙も、あるがままに。自然の流れのままに、ただ座るのみ。人と人とが共に生き、喜びや悲しみを分かち合い、明日への希望の光を見出していく。
「行雲流水」(こううんりゅうすい)行く雲のように、流れる水のように、自由に場所を変え、とらわれることなく生きていく。
「日々是好日」(ひびこれこうにち)どんな一日でも、大切に過ごせばかけがえのない日になる。


「禅ZEN」
1月10日よりロードショー公開
禅の教えを説いた鎌倉時代の僧、道元禅師の生涯を描く歴史ロマン。歌舞伎俳優の中村勘太郎が、道元の生きざまをりんとした姿で演じる。
監督  高橋伴明
出演  中村勘太郎、内田有紀、藤原竜也、笹野高史、高橋惠子

2008年11月29日

アキレスと亀

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 10:20 AM

コメディアンという仕事をしている人は普段でも面白い人かと思ったら大間違いなんだそうである。どちらかというと仕事以外は、仏頂面で、あまり口も聞かない人が多いらしい。私も学生時代、喜劇役者として名声を受けていた人に世話になっていたが普段は恐ろしくて口も聞けないオーラを発していた。往年の喜劇の名優ほどその傾向は強い。北野武は、 “コメディアン・ビートたけし”として、日本中が認めるお笑い界の帝王であるとともに、世界が認める映画監督でもある。好き嫌いはともかくとして、すでに13本の長編を作って数々の賞を受賞し、日本よりも、どちらかというとヨーロッパの人々に支持を受けている。Kitanoブルーと呼ばれる、その作品の風合いも、コメディアンとしての孤独を彩った作風の表れなのかもしれない。14本目の新作「アキレスと亀」は、北野自身が売れない絵描きに扮し、その妻と生きていくという、芸術家としての幸せ、人としての幸せを描く。
「アキレスと亀」
売れない画家の夫と、彼を支え励ます妻の物語。
監督・脚本・編集・挿入画:北野武
出演:ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀、大杉漣、大森南朋
<12月6日より12月19日まで上映>

2008年11月1日

ハンサム★スーツ

Filed under: ノザック コラム,奈良屋通信 — Cinamedict @ 2:03 PM

「ハンサム」って、いったいなんだろう。たぶん、スタイルがよく(簡単に言えばデブではない)、目鼻立ちがはっきりしていて(イケメンというやつ)見た目が良い人。男女の差別化の基本とでも言うのだろうか。でも、古今東西、はやりすたりがあるのも事実。一昔前と今とでは、ここで言うところのハンサムの基準は変わってきていると思うし、個人的にも好みというものもあるし、とてもあいまいな基準でもある。生物学的に言うと、「種を残す」という生き物の本来の本能のためにある優劣の基準でもある。まあ、そんな小難しいことを考えなくとも、男は、女の子にモテタイわけで、ハンサムというものに憧れと嫉妬が男にはある。反対に女の子だって、とりあえず見た目で最初は男を判断するわけで、ハンサムにこしたことはない。でも、それだけがすべてじゃない!声を大にして僕は言いたい!ハンサムだからって、いい男とは限らない。絶対、いい男とハンサムは違うのだ。

「ハンサム★スーツ」ロードショー公開中
ブサイクゆえにモテない人生を歩みながら、偶然出会った“ハンサム・スーツ”を着てハンサム男に変身した主人公の姿を描くラブコメディー
脚本:鈴木おさむ
監督:英勉
出演:谷原章介、塚地武雅、北川景子

2008年10月10日

”さよなら”から始まるラブストーリー

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 2:58 PM

追伸。冒頭になんですが、手紙のP.S.や追伸は、手紙の最後に、付け加える文章のこと。後から思いついて書き足されるものと、それだけでなく、文章の形を整えるために、本文に収まりきらなかったものをあえて書いているものも含める。手書きで、書き忘れたり、少し付け足したりしたいとき最初から書き直すのも面倒くさいので、よく使われる便利な言葉である。でもラブレターには、もう一つの効用がある。それは、言い出せなくて最後の最後に打ち明けるラスト・センテンス。はずかしいから最後に言って逃げるように走り書きする本当の気持ち。それが追伸。P.S ・・・。
刑事コロンボの質問や会話の最後に重要な会話があるように、それまでの話が枕でこれが一番肝心ということがあるように、追伸は、やっぱり重要案件なセンテンス。ましてや最愛の人に贈る最後の言葉としては、これ以上ない言葉だろう。P . S .アイラヴユー。てれくさくて、いえねーや。

「p.s.アイラヴユー」
アイルランド元首相の娘セシリア・アハーンによる同名ベストセラー小説を映画化。
最愛の夫夫を亡くし生きる望みを失っていた主人公が、死んだはずの夫から次々と届くラブレターによって、新しい人生を歩む希望を得る姿を描く
『プラダを着た悪魔』の製作陣と、『マディソン郡の橋』の脚本家が贈るこの秋一番のラブロマンス
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
主演:ヒラリー・スワンク、ジェラルド・バトラー、キャシー・ベイツ

10月18日より
シネマディクトでロードショー

2008年9月16日

猫好きな 犬童監督

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 5:58 PM

世の中には、なにかにつけて二つに分けたがる人があるもので、コーヒー派と紅茶派、そば派とうどん派、ジョン派とポール派みたいに、“どっちなんだよ”的なものがある。その中で犬派と猫派というのがある。鳥はどうなるんだ、ハムスターは、うさぎは、亀は、グッピーは・・いろいろご意見はあるだろうが、とりあえず犬と猫はペットの代表格ということでご了承願いたい。かくいう僕は、花子という黒柴犬と暮らしている犬派だけれどべつに猫が嫌いではない。映画に出てくるアメショウなんかみると、“スゲーメゴイ”って普通に思うし、飼いたくもある。でも花子がいるので、そうもいかない。コーヒーとそばとポール・マッカトニーが、どちらかというと好きだけれど、紅茶もうどんもジョン・レノンも好きなのだ。僕にとって犬は人生に潤いを与えてくれるかけがいのない大切な家族である。けして道具や玩具ではないのだ。少し溺愛気味ではあるのだけれど。

「グーグーだって猫である」
少女漫画界の巨星、大島弓子が、飼い猫たちと日々を綴った自伝的人気エッセイ漫画「グーグーだって猫である」。人も動物も、みんな対等に、この地球で生きている。そんな純粋な想いが溢れた原作を、小泉今日子、上野樹里、加瀬亮で完全映画化。
監督・脚本:犬童一心
シネマディクトでロードショー公開中

2008年8月2日

ぐるりのこと

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 8:16 PM

いろいろあるインターネットの映画サイトで「見てよかったランキング」堂々1位を、それぞれ獲得している橋口亮輔監督の最新作『ぐるりのこと。』。法廷画家として90年代の社会問題となった事件(地下鉄サリン事件、幼女連続殺害など)の裁判に立ち会う男性と、子どもを流産させてうつに陥る女性との十年にわたる夫婦の時の流れを、丁寧に、心にしみいるように紡ぎだしたラブ・ストーリー。めんどうくさいけれど、いとおしい。いろいろあるけれど一緒にいたい。なにがあっても、一緒に生きる。そんな夫婦を見ていると、人は、一人では生きていくよりは二人で生きていく方が良いと思える。「うざい」とか「きもい」とか、いやな言葉が普通に使われはじめた、どこか壊れている世の中になってしまった今だから、ちゃんとした人として生きていくために見てもらいたい映画。

「ぐるりのこと」
シネマディクトで公開中8月22日まで
法廷画家として働くカナオは、妻である翔子の妊娠に幸せを噛みしめるが、子供の死という予期せぬ悲劇に見舞われてしまう。やがて、それをきっかけに精神の均衡を崩してしまった翔子を、カナオは強い愛情で支えていく。
人と人とのつながりから生まれる“ささやかだけど大きな幸せと希望”が見事に描かれます。10年、20年後も心に残る、いとおしい珠玉の名作
監督:橋口亮輔
出演:リリー・フランキー、木村多江

 

2008年7月19日

西の魔女が死んだ

Filed under: ノザック コラム — Cinamedict @ 2:29 PM

幸せって、なんだろう。僕の場合、それは炊き立ての白いご飯。それは風呂上りのキンキンに冷えたビールだったりする。たいした幸せじゃないと思われるかもしれないが、そんなものである。幸せって。「西の魔女が死んだ」は、梨木香歩原作のベストセラーの同名小説の映画化。友達付き合いが苦手で不登校になった少女が、西の魔女と呼ばれるイギリス人のおばあちゃんの所に行って魔女修行をしながら、傷ついた心が癒されていく。魔女修行といっても、ここでは早寝早起き、朝ごはんをちゃんと食べ、掃除、洗濯など自分の身の回りのことは自分でやる。至極当たり前のことだが、普通のことが、なかなか普通にできない現代では、やっぱり普通が幸せなのだ。イチゴを摘んで、それをジャムにしたり、畑で野菜を作るのを手伝ったり。そんなことを魔女修行と称しておばあちゃんと過ごす日々。とても幸せな時間。ヨーロッパのことわざ「普通が黄金」という言葉を思い出した。
「西の魔女が死んだ」ロードショー公開中
祖母と孫のひと夏の暮らしを描いたファンタジー。“西の魔女”ことイギリス人のおばあちゃんを大女優シャーリー・マクレーンの娘のサチ・パーカーが演じる。ハンカチをお忘れなく!
監督・脚本:長崎俊一
出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう

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