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朝日新聞 幕間小話 アカデミー賞

 この季節、正月映画の狂騒が終わり映画業界はアカデミー賞の季節。年末あたりから予告編やポスターに「アカデミー賞最有力」の文字が躍り、みんな最有力候補の勢いだ。ノミネート発表後に、選考から漏れてしまって急いでポスターや映画の予告編を差し替える、なんてしゃれにならないこともあるけれど、とりあえず話題はアカデミー賞なのだ。
 でも、今年のノミネートの面々を見ると正直、地味というか、アカデミー賞らしくない。最多ノミネートがアン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」。
次いで「クラッシュ」と低予算の独立系作品が主にノミネートされている。ストーリーもカウボーイの同性愛の話や、人種差別の愚かさなど、作品的には悪くはないのだが、これまでのオスカーレースでは考えられない作品が主役。
 メジャー作品もカントリー歌手ジョニー・キャッシュの生涯を描いた「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」、スピルバーグ監督の「ミュンヘン」がノミネートされてはいるが、こちらも地味。かろうじて「プライドと偏見」が華やかな作品としてノミネートされたくらいだ。
 今、ハリウッド映画は過渡期をむかえている。マーティン・スコセッシやジョージ・ルーカスなど大作を作ってきた監督たちが、もう制作費が100億円を超えるような大作は作りたくないと言い出しているし、興行的にも下降線をたどっている。いまここにきて、粗製乱造のつけがまわってきた感じだ。
 だが、ハリウッドが、このまま終わるわけがないと思う。その点、今回のアカデミー賞は、ある意味、新しいアメリカ映画のターニング・ポイントなのかもしれない。

[2006.2.18]




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