エール
退職校長会で講演。そんな団体があるのも知らなかったが、中学校の恩師から突然の電話での講演依頼。断るのがメンドクサイからなのだけれど、頼まれたら断らないのが基本スタンスの僕は「はい、わかりました」と先生の授業ではしたことのないような即答。何が何だかわからないまま当日を迎える。ここ数日いろいろドタバタしていて、ほとんど準備もしないまま会場の青森ワシントンホテルへ。約50名ほどの”元”校長先生の団体。見ようによっては「暴れん坊将軍」の悪役顔が・・・・失礼。どちらかというと迫力ある面構えのシニアの方々。なんってたって”みんな”校長先生である。恩師も「谷田先生たのむな!」って先生に先生呼ばわりされて困惑。演題も脇に墨で「私の映画人生」谷田恵一先生!!!!達筆で、でっかい垂れ幕。それにしても凄い演題。すべてお任せだったので、そのまま紹介されるままに時間が来て、約一時間いろいろと話をする。その後の懇親会では、一番高い席に座らされて隣に座られた会長校長先生が御歳88歳米寿の先生で、いきなり我が叔父と旧制青森中学で一緒だったとのことで話が咲き、次から次にお酌をしに来てくれる校長先生の波。しかもそれぞれが薀蓄がある。海軍航空隊で上原謙が映画撮りに来て命令で映画にエキストラで出た校長先生とか、地域性のちがいをいろいろ例を挙げて教えてくれる校長先生。みんないくつになっても先生は先生なんだなーとビールつがれながら、KW社のM君みたいに首振ってうなずく僕。たぶん青森県で一番最初の女性の校長先生らしき先生が講演で話した「パリ20区」の話で必ず映画を見に行くと言ってくれたり。「武士の家計簿」をすでに見た先生はご夫婦で、うちの小屋の常連様で、この映画の素晴らしさをとうとうと述べられ「君はとても尊い仕事をしているね、これからもがんばりなさい」といわれ、不覚にも少し涙が流れた。大変だったけれど、とても面白い体験だった。すごく疲れたけれど。