2009年11月7日

Filed under: ノザック コラム — dict @ 3:12 PM

太宰治生誕百年なんだそうである。
でも、地元である青森では今ひとつ盛り上がりに欠けている感じがする。たぶんそれは、地元なだけに、生の津島修治としての多分に悪評が太宰の残滓として、いまだに生暖かく息づいているからかもしれない。ある意味、この津軽に住んでいる人々もまた彼のせいで、一般的に暗いイメージがつきまとう。でも、津軽人の本質は、その逆で明るい人が多い。太宰の生きていた昔からの例えで言えば、北海道に渡ったヤン衆や恐山の大祭などでも、騒いでいるのは決まって津軽衆だということを聞いたことがある。「パンドラの匣(はこ)」は、太宰のダークな作品とは違い軽やかな、青春物語。当時は死病であった結核に冒されながらも希望を持って生きていく青年を生き生きと描いた、太宰にもサニーサイドがあるのだと思わせる作品でもある。いつまでも、色褪せない太宰治の魅力の一つが、この「パンドラの匣」なのだ。
「パンドラの匣 」
太宰治の小説『パンドラの匣』の映画化。結核を患う少年、ひばりが入所した風
変わりな療養所を舞台に、そこで出会った2人の看護婦への恋心と、おかしな療養者との日々を描く。
芥川賞作家の川上未映子が女優デビュー
脚本・監督・編集:冨永昌敬  
音楽:菊地成孔
出演:染谷将太,川上未映子,仲里依紗,窪塚洋介
<11月7日ロードショー>

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