ノザック・コラム 明日への遺言
映画「明日への遺言」は、第二次大戦中におきた無差別爆撃によるアメリカ軍の爆撃機の搭乗員が、爆撃後捕らえられて処刑された事件で、敗戦後戦争に勝った側が負けた側を裁く戦争犯罪裁判を扱った映画。国際法上では理不尽ともいえる無差別爆撃を戦犯裁判で、たとえ戦には負けたとしても、言うべきことは言って筋を貫き通し、19人の囚われた部下の全責任を一身に負った東海軍司令官・岡田中将の物語。戦争犯罪裁判が舞台ということもあり、イメージ的に右よりというか、軍国主義的な映画に見えるが、映画の本質は、大人の責任のとり方、日本人としてこの国に生きてきた清清しくも、厳しくそして満ち足りた日本人の物語。とめどなく涙が流れる。この涙は、なぜなのか。悲しいから、くやしいから。今の自分が情けないからでもあるのか。自らを照らし合わせてみた自省の涙なのかもしれない。映画というものに力があるのならば、この映画は、これからの日本を明るい社会へと僕らを導いてくれる。そんな力がある映画だとおもう。
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