「口裂け女」
僕、ホラー映画キライです。なのに、1月に“叶井スペシャル”と題し、ラジオの生放送で叶井俊太郎をゲストに迎え、バカ騒ぎした最中、「口裂け女」の映画 化の話になり、プロデューサーでもあるDJの橋本康成さんがたきつけ、叶井俊太郎がその気になり、営業担当のうら若き乙女が、とってもうれしそうに「谷田 さんホラーやってくれるんですか!」なんていうから引っ込みがつかなくなって上映するはめになってしまった。1970年代後半に日本中を駆け巡った最恐の 都市伝説“口裂け女”を水野美紀が、あまりにもリアルな口元で演じ相手役の佐藤江梨子や加藤晴彦を恐怖のどん底に陥れる。ホラー大好きだという映画会社の 女の子に「なんでこんなもん(ホラー映画)好きなの?」って、聞いたら「あの怖い時の身も心もキュンとなる感覚がたまらない・・」あっそ、シンジラレ ネー。またある美しき女性に同じ事聞いたら「近頃悪夢を見なくなったから」なんで?怖いもの好きなの?こうなると理解不能。なぜ僕がホラー映画が嫌いなの かというと、小さい時、お盆になると必ず、奈良屋劇場では、お化け映画を上映していた。「四谷怪談」「番町皿屋敷」「怪談かさねが淵」などなど。当時のお 化け映画は、白黒映画なのにパートカラーといって血の場面だけ急にカラーになったりして子供心におっかなくて、なんでこんなにたくさんの人が来るのか不思 議だった。そしてなにより夜、上映が終わった暗闇の映画館は怖いのだ。しかも劇場に住居もあり、隣に行くよりも便所が遠いというメチャクチャな住居環境 で、一人でオシッコに行けないから“お化け”やるのが本当に嫌だった。でも、自分が嫌いだからといってホラー映画を上映しないわけにはいかないし。つれー な映画館主は。