見る人しだい
子供に見せたい、親も見たいアニメ。人生を考えさせられる映画。多感な時代に見る作品。
デビュー作から“人と人の心の距離”を巧みに描いてきた新海が、少年少女たちが成長する姿と冒険を独特の映像で映し出し、大人から子供まで幅広い年代が楽しめるジュブナイル・アニメーション。作り上げた新海誠監督はデジタルアニメーションを革新した鮮烈なデビュー作『ほしのこえ』(02)以来、心の距離を丹念に描き続け、若者の絶大な支持を得てきた。津軽線沿線の風景をモチーフした「雲の向こう、約束の場所」以来のシネマディクトでの公開作品は「古事記」のイザナギ・イザナミの物語の黄泉の国にも通じる世界中にある伝説の地を旅する少女の物語。伝説の地下世界アガルタに、もう一度あの人に会いたいがために、幾度の苦難を乗り越えていく。「ナウシカ」「ラピュタ」「もののけ」風の作品を、どう受け止めるのかは見る人しだいだが、細かい所のディテールや、しっかりした構成は次世代の旗手と言われるだけはある。
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