2011年4月19日

昨日・今日・明日 2

Filed under: 今日のダニー — tanita @ 11:05 PM

「ニューシネマパラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が「題名のない子守唄」以来3年ぶりに放つ新作。
「ニュー・シネマ・パラダイス」や「マレーナ」と同じ過去を舞台にしたノスタルジックな作風であり、トルナトーレにとっては十八番的な作品 だが、このたびの作品は少し違う。2007年8月21日、ローマで、トルナトーレ監督は道を聞く振りを装った二人組の強盗に襲われ、頭部を負傷したが命に別状は無かった。しかしそのような体験をすると死生観が変わったりする。そして作った作品が監督の父、ペッピーノと監督の母となる美しい女性マンニーナとの愛が主軸の、二人の親の世代と二人の間に生まれる3人の子供たちと3世代に渡る長き物語。実に私的であり、イタリアの歴史ともリンクして、1930年代から1980年代にかけての監督が生まれ育った街バーリアを舞台にした作品なのだ。
昔の日本映画の巨匠たちは、それぞれの作品の“イロ”というのがあって、それを小津安二郎ならば「小津調」、黒澤明なら「黒澤調」といった。イタリアを代表する巨匠ジュゼッペ・トルナトーレも「トルナトーレ調」と言っていい独特の映画の“イロ”を持った監督だが、今回の作品も長年のパートナーであるエンニオ・モリコーネの音楽にのせて貧しくとも実に明るいシチリアの人たちを描く。
庶民が逞しく生きる、いやそうでなくては生きられない社会。なにがどうだということでなくてただ「トルナトーレ調」が見終わった後にじんわり沁みる。

 

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