グッドナイト&グッドラック
ハリウッドには兄貴みたいな存在の役者がいる、昔ならフランク・シナトラ、いまはそれがジョージ・クルーニーになるのだろう。映画で競演したブラット・ピッドやジュリア
・ロバーツがこぞって彼を慕っている。それだけでなく彼の凄いところは政治的にも発言や行動もしているところ。「グッドナイト&グッドラック」はジョー ジ・クルーニーが監督・脚本・出演の3役をこなし50年代のCBSテレビの報道番組『See It Now』のアンカーマン、エド・マローが主人公。
アカデミー賞で作品・監督はじめ主要6部門にノミネートされた題名の「おやすみなさい。そしてグッドラック」は番組の最後にマローが言う挨拶だ。舞台は 1954年、マッカーシー上院議員によるアカ狩りの真っ只中。アメリカ人たちは互いを疑い、密告し、裏切り、それを恐れて沈黙した。特にユダヤ系や東欧系 移民、学者やマスコミ関係者は片っ端から標的にされ、仕事を失い、破滅した。追い詰められて自殺する者も多かった。そんな時代
言葉を武器に権力に立ち向かい、アメリカを救った国民的ニュースキャスター<エド・マロー>と若き記者たちの“真実”の物語。ニュースキャスターだった父 に送った”ラブレター”でもある。「今のTVは人を欺き、笑わせ、現実を隠している。それに気づかなければスポンサーも視聴者も製作者も後悔することにな る。」劇中でエド・マローが48年前に言ったスピーチを再現したものだが、クイズやバラエティーでCMのたびに、話を戻し水増しして、もうすぐ登場と興味 を誘いながら来週の予告だったり誠意のかけらもない今のTVにたずさわっている人々すべてにこの映画を見てほしい。
勇気と正義がこの映画には存在する。
※朝日新聞のコラム「幕間小話」でヨンドコロナイ事情でボツになったの2作。
も ったいないので奈良屋通信に載せました。