2011年2月5日

ひとりぼっちのあいつ

Filed under: ノザック コラム — dict @ 12:05 AM

ザ・ビートルズは、今でもさまざまなものに多大なる影響を与えている。ジョンとポールが出会ってから50年以上がたち、ジョンが死んでからもう30年が過ぎた。それでも彼らの音楽は風化せず、今でも映画やTVに流れている。映画「ノーウェアーボーイ ひとりぼっちのあいつ」はビートルズになる前の少年から青年に成長する時代のジョン・レノンの物語。彼がどのような生い立ちで、どのような音楽を聴いてビートルズになって行ったか。幼少期のジョンがジョンの母親の姉に育てられ、その叔母とジョンの母親との長きに渡る確執の中でジョンが育てられた。家族の愛への渇望。ジョンの苦悩と怒りが、彼にとって救いだった音楽に注がれている。この幼少期がなかったら、ビートルズもなかったろう。そしてポール・マッカートニーとの出会いと友情。レノン・マッカートニーの数々の「愛の歌」は、二人とも歌を歌っていたんじゃない、愛を叫んでいたんだ。
「ノーウェアーボーイ ひとりぼっちのあいつ」2月5日よりシネマディクトで上映
1950年代のリバプールを舞台に、厳格な伯母と奔放な実母との間で葛藤する、ザ・ビートルズに入る前のジョン・レノンの青春を描く伝記ドラマ。
監督: サム・テイラー=ウッド
出演:クリスティン・スコット・トーマス 、アーロン・ジョンソン

2011年1月9日

デブの敵!?細身じゃないですから私!

Filed under: ノザック コラム — dict @ 11:48 PM

トム・フォードといっても、ファッションに興味のない人は、それ誰?と思うかもしれないが、グッチやイヴ・サンローランくらいのブランドは知っているのではないだろうか。
トム・フォードは、不振にあえいでいた、それらファッション・ブランドを見事に立て直した中興の祖みたいなデザイナー。最近では自社ブランド「トム・フォード」を立ち上げたり、今の007、ジェームス・ボンドの着るスーツがトム・フォードによるデザインだったりする。その彼が映画の世界へと足を踏み入れた初監督作品は孤独や苦悩など、自伝的な要素が盛り込まれた作品。初監督と言っても、そんじょそこらのハナタレ監督ではない。そこは、あのトム・フォードである。スクリーンの隅々まで計算しつくされた繊細な映像美が見る者を惹き付ける。それは映画の衣装だけではなく、映画全体の感性そのものが彼の美意識で埋め尽くされている。天才は存在するんだねー。
「シングルマン」
クリントファー・イシャーウッドの同名小説の映画化。長年のパートナーを亡くした50代のゲイのイギリス人大学教授の愛と葛藤を描き出す。「ブリジット・ジョーンズの日記」のコリン・ファースが主人公を繊細に演じ、ベネチア国際映画祭で主演男優賞を獲得。

2010年11月28日

武士の家計簿

Filed under: ノザック コラム — dict @ 9:44 AM

数学というと、「勘弁してちょうだい」と「ふふふ・・得意だぜ!」の二つに大別できると思うが、どちらかというと「勘弁」派が多いのでは。でも、まわりを見渡せば見方によっては世の中は数学で動いている。映画「武士の家計簿」は江戸時代の「ふふふ・・得意だぜ!」派のお話。といっても江戸時代から盛んだった関流など、和算のお話ではない。どちらかと言うと刀をソロバンにかえて殿様に仕えた、いわば経理マンのお話。武士は、べつに剣術ができれば出世できたわけではなくて、こうした算術に長けた物も、もちろん必要としたわけで、ましてや徳川幕府の太平の世では剣術よりもソロバンが達者な方が必要なのは充実した社会では当たり前のこと。この映画は時代こそ江戸時代末期、幕末の激動期のお話だが今こそ、この主人公の家族の日々が、これからの私たちの生きていくための指標になっているような気がしてならない。志だけでも心に留めたい良い映画です。
「武士の家計簿」
幕末から明治維新の激動期を背景に、御算用者(会計処理の専門家)として代々加賀藩の財政に携わってきた下級武士の猪山直之が、家財道具を処分し、倹約生活を実行しながらも、妻と協力して家族を支え、家芸を守りながら力強く生きていく姿を描く。
監督:森田芳光
出演:堺雅人 仲間由紀恵 松坂慶子 西村雅彦 草笛光子 中村雅俊  

2010年10月23日

「オカンの嫁入り」

Filed under: ノザック コラム — dict @ 11:11 PM

「オカンの嫁入り」とは、なんとも古風なネーミングだが、主演は大竹しのぶと宮崎あおいという世代を代表するトップ女優の初共演作。もちろん「オカン」には大竹しのぶ。その娘役に宮崎あおいが関西弁で、かわいくも揺れる娘心を演じている。家族というものは、ある意味空気みたいなもので、誰でも親はいるし、子供が一人で生きて行くわけがないのを思えば当たり前のものなのかもしれない。でも、人それぞれの事情というものがあって、普通のことが普通でない家族もいっぱいいる。そもそも、普通の家族っていったいなんだろう、と思うのだが、映画では母一人娘一人の二人の家族が、お互いのことを思い、そして生きていく淡々とした日常を描いている。その日々が暖かく、いとおしい。何も特別なことがないからこそ日々暮らしていける。ただ、いなくなってから、その大切さがわかるのでは、すこしさみしい。その前に、親子でこの映画を見て日常の大切さを感じるのもいいかも。

「オカンの嫁入り」
長年、母一人子一人で仲良く暮らしてきた母娘が、母親の突然の再婚宣言によって揺れ動くさまを、ユーモラスかつ温かく描いた人間ドラマ。
監督:呉美保
出演:宮崎あおい、大竹しのぶ、桐谷健太
10月23日より11月19日までシネマディクトにて上映。

2010年10月6日

スターの晩年

Filed under: ノザック コラム — dict @ 2:48 PM

ハリソン・フォードといえば、「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」のハリウッドを代表するスーパースター。彼でさえ、当たり前だが歳をとる。いつまでもアクション・スターでいられるわけもなく、さりとて名声を得たスターが、そのまま消え入るようにスッパッと引退する見事な幕引きもあるのだろうがスターというのは、そうもいかないらしい。いかに良い歳をとるか。あるものは監督に、あるものはプロデューサーにと晩節を汚さないように、いろいろなことをする。ハリソン・フォードの場合はプロデューサーとして社会派の映画を贈り出している。前作「正義のゆくえ」は移民問題に切り込んだ作品だった。今回は難病と戦う子供の親と孤独な天才老科学者の物語。老科学者をハリソン・フォードが演じる。すべてを投げ打って子供のために難病を治す薬の開発に製薬会社を作る父親役にインディ・ジョーンズ系のアクション映画「ハムナプトラ」のブレンダン・フレイザーを添えたことは偶然ではないきがする。

「小さな命が呼ぶとき」
実話ベースの医療ドラマ。生まれたばかりの赤ん坊と1歳の娘が、難病のポンペ病に冒されていることを知った父親は子供たちの治療に専念するため会社を辞め、型破りな薬学者に協力を求め全てを捨てて製薬会社を起こす。
監督: トム・ボーン
出演: ハリソン・フォード
ブレンダン・フレイザー
10月16日~11月5日までシネマディクトで上映

2010年9月8日

コンサートじゃなくてオーケストラ

Filed under: ノザック コラム — dict @ 10:11 PM

クラシック音楽といえば、今はTV「のだめカンタービレ」のヒットで、初めてモーツァルトやベートーベンやショパンの音楽にめぐりあった人も多いはず。映画「オーケストラ」は、そんなクラシック音楽にすべてをささげた人々の夢物語。なんとフランスでは『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』をおさえ、パリでオープニングNo.1を記録! ラストシーンに沸き起こる拍手に温かい涙が溢れる、笑って、元気をくれる感動作。でもクラシックのオーケストラの物語といってもガリガリ芸術作品ではなくて、コメディでもあり、おとぎ話でもある。今の負の連鎖ばかりのギスギスした世の中で一番求められている映画なのかもしれない。人として譲れなかったことのために不愚な日々を過ごした一人の天才指揮者とその仲間の音楽を愛し続けた荒唐無稽な夢物語と、あざ笑うなかれ。
捨てきれぬ儚い思いでも。夢は叶う時もある。あきらめなければ。

「オーケストラ」
かつては一流オーケストラの天才指揮者だった中年清掃員が、急きょ出演できなくなった楽団の代わりに、昔の楽団仲間を集めてコンサートに出場しようと奮闘する感動作
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコフ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン
9月11日からシネマディクトで上映

2010年8月8日

パーマネント野ばら

Filed under: ノザック コラム — dict @ 6:57 AM

男にとって美容院は、一昔前は禁断の場所といったイメージ。今はもちろん男でも美容院に行く、僕は近所の床屋のおっちゃんのところにジャンボ刈に行っているけれど。
映画「パーマネント野ばら」は男子禁制的な田舎の美容院が舞台の映画。主役は美容師とお客。そこで花が咲く話はもちろん「コイバナ」。オネーチャンもオバチャンも、あるときは赤裸々に、あるときは少し虚飾なテイストで。いくつになっても、どんな恋でも禁断の場所では何でもありの恋のお話の世界。主役の菅野美穂や、その友人役の小池栄子、池脇千鶴の若手演技派女優が、おかしくも切ない女心を演じている。まるで、彼女たちが、これからの女優人生で杉村春子や森光子みたいになっていくような、そんな予感さえ思わせる。つらいことや、イライラしたことがあった時、一瞬“ガーット”泣いて、すっきりして、何事もなかったような顔している女優は、いや女は“おそろしい”。
「パーマネント野ばら」
田舎町の小さな美容室を舞台に、男性に振り回されながらも「どんな恋でもないよりまし」とたくましく生きる女性たちの恋模様を紡ぐ。
監督:吉田大八  原作:西原理恵子
出演:菅野美穂、小池栄子、池脇千鶴、宇崎竜童、夏木マリ、江口洋介

2010年7月6日

プレシャス

Filed under: ノザック コラム — dict @ 6:02 PM

知識というものは罪深い。知らなくてもいいものも知識ゆえに知り、そのために、めんどくさい人生をおくることになるかもしれない。でも、たいていの人生は知識あるゆえに豊かな人生をおくれるのかもしれない。映画「プレシャス」は、そんな人生においての人間の知識について考える映画。古くはオードリー・ヘップバーンの「マイ・フェア・レディ」。個人的に、このてで好きな映画は「フェーム」、最近では「愛を読む人」など、言葉を書けなかったり読めなかったりの「文盲」による物語は映画ではけっこうある。この国にいると、言葉の読み書きなど当たり前のようなことなのだけれど、言葉をしゃべれるけれど書けなかったり読めなかったりする人が、世界では当たり前のようにいて、大体は社会の最下層で暮らしている。知らないということが罪であるとするならば、僕たちが住んでいるこの国は、比較的良い国だということなのだが。さて、どうだろう。
「プレシャス」
本年度、アカデミー賞2部門受賞!
ハーレムを舞台に、過酷な運命を生きる16歳のアフリカ系アメリカ人少女、クレアリース“プレシャス”ジョーンズの人生を描く人間ドラマ。
監督・製作・脚本: リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライア・キャリー、レニー・クラヴィッツ
7月17日よりシネマディクトにて上映

2010年6月4日

ソラニン

Filed under: ノザック コラム,今日のダニー — dict @ 5:37 PM

いつの時代でも、ワクワク、ドキドキする体験をする年齢がある。「いくつになっても、ワクワク、ドキドキしているよ」と言うかもしれないが、若い時のワクワク、ドキドキは尊さが違う。映画「ソラニン」は夢と現実に葛藤しながら生きる若者たちをリアルに描く青春恋愛映画。主演は今や国民的女優となった宮崎あおい。彼女自らギターを弾いて歌うライブシーンが感動のクライマックスを盛り上げる。そして彼女の相手役は、日本映画界で一番注目されている若手俳優、高良健吾。若い二人が不確かな未来に揺れながらも、明日へと踏み出していくその姿は見ているものにも勇気と感動を与えてくれる。なにもしないで最初からあきらめていたのでは、何のために生きているのかわからなくなる。あきらめないで夢に向かって生きていく。その、ワクワク、ドキドキがうすれてきた時が、大人になったということだとしたら、なにか哀しいけれど。宮崎いいです。おすすめです。
「ソラニン」
浅野いにおの傑作コミックを映像化した青春恋愛ストーリー。「ソラニン」という名の詩をモチーフとした切ない恋物語を軸に、リアルな若者の心情をビビッドに描き出す。
出演:宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太
6月5日からシネマディクトにて公開

2010年4月17日

ハート・ロッカー

Filed under: ノザック コラム — dict @ 9:48 AM

今年のアカデミー賞は「アバター」のキャメロン監督と「ハート・ロッカー」のビグロー監督が、元夫婦だったということでも話題になった。この二人、映画の作風も正反対でおもしろい。ジェームス・キャメロンは、愛がテーマで、映像技術の最先端を駆使して誰も作ったことのない作品を作る。「ターミネーター」でCGを、「タイタニック」ではデジタルを、そして「アバター」では3Dを誰よりも使いこなして映画を進化させる監督だ。キャサリン・ビグローは「ハート・ブルー」「K-19」「ハート・ロッカー」すべての作品が「クール」だ。熱く生きる男たちをテーマに、その時代の緊張感を、まるでドキュメンタリーのように、見ている者のハートをぐっと引き込む。180cmの長身で金髪モデルのような容姿の女性がこんな映画を作るなんて驚かされる。外国には、とんでもない女性がいるものだと思ってしまう。しかも、この二人が元夫婦だったなんて、世界は凄い。
「ハート・ロッカー」
本年度アカデミー賞
作品賞、監督賞など主要6部門受賞!
イラク、バグダッドを舞台に、最前線に送り込まれた爆発物処理班の隊員たちの心境をリアルに描いた戦争ドラマ。
5月1日よりシネマディクトにて上映

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