2002年1月7日

新年号

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(トムも寒そう)  

あけましておめでとうございます。今年もシネマディクトをよろしくお願いします。
年頭にあたり今年初の奈良屋通信は当劇場のビルのモニュメントである映写機の紹介です。
旧奈良屋劇場から新たにシネマディクトに生まれ変わるとき、さまざまな人から助言をいただきました。
その中で大学生時代からよく行ってた中野坂上のSEAというJAZZ屋でたまにあって話をする知り合いのハマさんが「谷田、また映画館作ってビルにするん だったら、なにかランドマーク的な物も考えとけ」と言われました。僕はその時はハマさんよくSEAで飲んでて知ってるけどなにやってる人か、わかんなかっ たのですけど「それはいい事だ」と奈良屋の3階のポスター部屋でホコリにまみれてポスターに埋まってたこの映写機をシネマディクトのビルのランドマークし ようと思いつきました。(あとから聞いたらハマさんは結構有名な都市計画なんか作るプランナーらしいです。)けっこう映画好きの人ならこの映写機は普通の サイズより小さいのにきずくと思います。この映写機は昔映画が始まる前に写されるスライドの宣伝用の映写機なのです。光源も昔懐かしいアークライトです。 今は99.99%の映写機がキセノン・ランプの映写機ですが昔は炭素棒をスパークさせた光でフイルムを写していました。僕小さい頃この棒を取り替えるのが 好きでよく映写室に行って忙しく仕事している映写技師の人たちのじゃましてたものです。

(古川国道かど)

そのことを設計の福士君と森本組の熊谷さんに相談したらこころよくどころか他の建築のなによりも一生懸命作ってくれてアリガタカッタ?です。みんなこんな ことが好きなんですね。ハマさんのアドバイスと昔の奈良屋の思い出を残すために今も青森古川国道カドに映画館のシンボルはあります。近い将来、渋谷のハチ 公みたいに「ディクトの映写機の前で6時ね」ってな感じで利用されるととってもうれしいです。
[2002.1.7]

2001年11月21日

東京

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(朝早く出張)

先日無事に東京から帰ってきました.今回の出張は外国映画輸入配給協会、通称「外配協」主催の「トウキョウ・シネマ・ショー2002」に出席するため で、今年は「アメリカのシネコンの現状について」と「デジタルシネマの現状」の二つの講演と来年の公開作品の予告編83本のプレゼンが行われました。
講演の方は、データをもとにアメリカのシネコンの現状はどうなってるのかについての話で、現在スクリーン数にすると3万7・8千あるうち1万2千スクリー ンが倒産、倒産しそうであること。シネコン大手5社(AMC、カーマイク、シネマーク、ローズ、リーガル・シネマズ)のうちAMCを除いて倒産あるいは倒 産しそうであること。その原因としてはまずは他業種による投資での過当競争、映画制作における制作費の高騰と製作本数の減少があげられること。でもハリ ウッドの制作の人たちは「銀行家や投資家が映画制作に携わっていた今までが異常だっただけで、これからは本当の映画を愛するものたちが作る本当の映画が出 来る」と結構楽観的です。まあこれくらいのオポチュニストでないとあんな映画は作れないかとおもいます。

またデジタル・シネマについてもまだまだ35mmのフイルムには到達していないのが現状で、TIのDLPが現在実用機としていくらか常設されてますが、そ れもハイビジョン程度の画像(1080P)でまだまだフイルムの方がその倍以上の画像の解像度が必要らしいです。
このデジタル技術についてはスターウォーズのジョージ・ルーカスがその急先鋒でその対極にあるのが結構仲のいい、スピルバーグで、彼は死ぬまでフイルムに こだわって映画を作っていくと言ってます。ハリウッドではスピルバーグが死ぬまであと20年くらいはデジタルが普及するのは無理なんじゃないかという口の 悪い人もいます。
今回はビクターのD-ILAが世界初公開ということでそのデモも見ましたが素人目にはフイルムと遜色ないように見えますがまだまだ35mmのフイルムにはかなわないようです。

(まだできたばっかり) (第1号)

予 告の方は昨年の120本にくらべると83本とぐっと少なかった!?ですが、これはゲスト招待のMPA(モーション・ピクチャーズ・アソシエーション、欲に 言うメジャー5社)たぶんテロのせいで計画が大幅に変更されているせいだと思いますが、あまり作品を紹介しなかったせいでもありますがそれでもたくさんあ ります。

(皇居の堀端が会場)

ま ずメジャーはこの季節アカデミー賞狙いの作品がどんどこ公開されます。「ハリー・ポッターと賢者の石」「シュレック」「シッピングニュース」「ギャング・ オブ・ニューヨーク」「ロード・オブ・ザ・リング」「バニラ・スカイ」「スパイキッズ」「ムーラン・ルージュ」などなどなどそれとは別にリバイバル上映と いうカタチで「地獄の黙示録 特別完全版」と「ET20周年アニバーサリィー版」の公開などハリウッドは来年もたくさん話題作を私たちに楽しませてくれま す。
そしてアート系と呼ばれるインディペンデント各社も話題作がたくさんありました。フランス映画「アメリ」、インド映画3時間7分の大作「ミモラ」、(覇王 別姫の)チェン・カイコウ監督がハリウッド進出第一弾「キリング・ミー・ソフトリー」ヘザー・グラハム(ブギーナイツ、オースティン・パワーズ)とジョセ フ・ファインズ(恋に落ちたシェイクスピア)の共演でR-18の成人指定のエロティック・サスペンス、ちまたではハリー・ポッターの話題でもちきりですが それはそれですごいですが”サリー”・ポッター監督・脚本・音楽プロデューサーの「耳に残るは君の歌声」もまた激動の時代戦乱に揺れる国々を舞台に別れた 父を探す少女の物語や、懐かしいところ?&変わったところでは「グラン・ブルー」の主役ジャックを演じたジャン・マルク・バール主演・監督「グラン・ブ ルー」でも共演したロザンナ・アークエットが出演してる「SEXーEL」原題がもっと凄くて 「too much fresh」という映画や「ベティ・ブルー」の監督ジャン・ジャック・ベネックスが8年ぶりにとった「青い夢の女」新しい「ロッ キィー・ホラー・ショー」と言われサンダンス映画祭で絶賛された「ヘドウィック・アンド・アングリー・インチ」やフランシス・コッポラのせがれローマン・ コッポラの「CQ」などたくさんたくさんありますですはい。

(東京)

2001年9月21日

マナー

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   青森のプロバイダ 7-dj.comにCINEMA LANDというコーナーがありそのなかで「ダニーTの映画ガチョーン」というコラムを書いています。インフォアオモリ(なんかこっちの名前の方がしっくり くるのですけど)のM女史にコラムを書いてと頼まれ、いつものように”断るよりも「なんとかなるさ」”と、とりあえず「月いち」と自分でノルマを課して、 いつも何書こうかなと苦労してます。今回も何を書こうかなとおもってたら、いつもメールやBBSで貴重なご意見・感想・質問&タレコミ?をしてくれる”音 響マニア”さんから映画を見るマナーについてグットタイミングでメールもらったんで、いつものように”やっつけ仕事”「映画館の掟!」なんてだいそれた題 つけて書きましたが、これが僕のワイフにとても不評で、とくに「ものを食べない、飲まない。あまりきびしくするのもちょっと」の部分はあいまいで良くない というのです。。「あんただってワーナーマイカルでポップコーン必ず買うじゃな!」・・・だって好きなんだもん。
  まあ映画館内での飲食についてはいろいろな考え方があると思いますが僕はぜーんぶ禁止にするのは反対の立場です。最近は2時間以上の作品がざらで最近は 「タイタニック」みたいに3時間を越える作品でも昔みたいにインターミッション(休憩)をもうけないで(イギリスでは休憩いれたみたいですが)そのまま上 映するのは、作った監督はいいかもしれないけど見てる方はたまったもんじゃない。人間だからノドも渇くし、オシッコもしたくなります。
また、いろいろな作品があるようにそれぞれの作品の性格を考えればポップコーンにコーラが似合う映画もあるし、静かーに見る作品もあります。とにかく携 帯の音と喫煙!これだけは絶対だめということですかねー。開館当初は携帯やベルの電源を切るようにアナウンス入れてましたが。あまりにも常識のことをクド ク映画が始まる前にいうのもなんだかと思い止めたんですが近頃また上映中に携帯鳴らす人が多いみたいでまたアナウンス流そうかなと思ってます。
人それぞれのマナーというか常識の程度が落ちているんでしょうか。競争社会なのだからいろいろな面でサービスするのはあたりまえなんでしょうけど「なんかまちがってないかい」とおもうときが多々あります。

2001年8月13日

今年も豊作

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前 にもディクト・マガジンに書きましたが、トマトを育ててます。桃太郎に踊り子、ミニトマトのペペ、キャロル、デルモンテのビタミンエースやサマーキッス、 フルーツトマトなどなど約30本!自分でもこんなに植えるつもりは春先はないのですが、花見が終わって、渋谷の苗屋さんやホームセンターなんかにいくと、 ついつい買ってしまい気がつくと30本・・・。これがまたネブタの時期ぐらいから、いっせいに赤くなってたくさん採れてワイフにおこられてます。採れはじ めは完熟で甘くて美味しいと喜びますが、毎日カゴ一杯に採れるのでそのうち見たくもなくなり誰も食べてくれないので弟のうちの玄関前にピンポン押して置い てったり、トマトソースにしたりと大変です。
なにゆえこんなにトマトを育てるのかといえば、家庭菜園でトマトは簡単で美味しい作物だし、農学系の大学で土と牛との生活が身にしみてる事と、なんといっ てもフランシス・フォード・コッポラの代表作「ゴッド・ファーザー」のドン・コルネオーレに憧れて作り出したのです。この時のマーロン・ブランドみたいに 「じいさんになったらトマト畑で死にたい!」なんておもったりして、そのくらいトマトを育てるのとコッポラが好きです。

2001年7月21日

「東京日記」

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(写真1)

 灼熱のTOKYOに行ってきました。別に遊びに行ったわけじゃなくて仕事しにです。今回は日比谷の映画街に近いちょっといいホテルです。(写真1)しか しシャレにならないくらいあっつーい東京でした。仕事の方は映画の試写2本、後は映画会社と今後の作品のブッキング(上映予定)です。
試写は、この秋(9月中旬くらい)公開の「ブリジット・ジョンズの日記」のジャパン・プレミア公開で(写真2)主演のレニー・ゼルウィガーとプロデュー サーのエリック・フェルナーの舞台挨拶があり(写真4)こりゃ行かなきゃ・・と速攻で東京行きのチケット&宿決め手スタッフのみんなには事後承諾・・・ 「ごめんねみんな」とおもいつつ、いまだ見たことないハリウッドの女優さん見に仕事でしかたなく東京有楽町の日劇プラザへ(写真3) 

(写真2) (写真3)

 !BUT予定の時間7:30が過ぎても一向に舞台挨拶の気配はなし暫くしたらレニーさんまだこないとのことのアナウンスが流れザワザワしてきて似たようなアナウンスが二度流れ「こりゃ来んのかいのー」

(写真4)

と思った8時ごろ、司会のクロさんがスクリ-ンに出てきてお詫びと紹介がはじまりお客さんのキャーの声とともに、映画の字幕でおなじみの戸田奈津子女史を従え御登場!やっぱりハリウッドの女優さん光り輝くというか綺麗でした。
インタビューの内容は「役のためとはいえどうやって6キロも体重を増やしたの」という質問に「毎日ピザ食べてました」・・詳しくはUIPのホームページで見れますのでそちらをご覧ください。
http://www.uipjapan.com/

 

(写真5)

映画の方は、まさしく女性向きですが男性も絶対楽しめる作品です。こんなに試写でお客さんが声出して笑う映画も僕はひさしぶりです。でも不思議に下品だけど下品じゃないのです。笑いがたえない素敵な映画です。
そして音楽もまた素晴らしい、今予告で流れている「オール・バイ・マイセルフ」やチャカ・カーン、マービン・ゲイなどなどなどいいっすよ(すぐ次の日サントラ買いました)!
もう一本はこれはまだ東京での公開日程も決まってませんが「ブリジット」とは打って変わってとってもヘヴィーな作品「夜になるまえに」 (写真6)。
キューバ・詩・カストロ・革命・ホモセクシュアル・投獄・ 亡命・そしてエイズ発病・・・・・。「バスキア」のジュリアン・シュナーベル監督が今年のアカデミー主演男優賞にノミネートされた主演のハビエル・バルデ ムをはじめ、オリビエ・マルティネス、アンドレア・ディ・ス

(写真6)

テファノ、ショーン・ペン、そしてジョニー・デップなどの豪華キャスト迎えて、実在した伝説の作家レイナルド・アレナスが自らの死を前にして綴った自伝「BEFORE NIGHT FALLS」の映画化。
南極のような寒い松竹の試写室で震えながら見ました。後ろのポルトガル語かスペイン語かわからんけどそれらしき二人組みのおしゃべりがうるさかったけどよ かったです。とくにジョニー・デップの好きな方は絶対見たほうがいいと思います。これ以上はいえません。
あとのブッキングの方は、たくさん作品はありますが日程が決まったのだけお教えすると、急遽決定!吉川晃司主演「天国から来た男たち」 8月11日から 17日迄 1week、そしていま東京でハヤッテマス 、ベトナム映画「夏至」10月6日から10月19日2week。(ほんとは夏にやりたいんだけど、無理みたいです)夏映画は「ジュラシック・パーク?V」 突如初日変更!一週繰上!我大変!てな感じで8月4日に初日が変更!秋、そしてお正月映画の話と前に前にのこの業界、ときたまわけがわからなくなります。

2001年5月24日

「フィルムIII」

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またフイルムです。なにせこれがなければ映画は始まらないし写らない。サイズも基本的には映画100年の歴史で変わらない幅35mm、長さは作品により多 少異なりますが普通1巻が2000フィート(約610メートル)弱で約20分、上映時間2時間の映画は概ね1本6~7巻ということになります。
画面の縦横比には1:1.38のスタンダード(最近の映画館で公開される作品はほとんどこのサイズはありません。シネコンはほとんどこのレンズは装備して ないとか)、1:1.85のビスタビジョンサイズ(通称”ビスタ”一時スピルバーグ監督なんかが上映後の、ビデオやTV放送までのマーケティングを考えて このサイズがおおはやりの時期がありました)1:2.35のシネマスコープ(通称”シネスコ”昔は”東映スコープ”なんてのもありました。最近の「タイタ ニック」のヒット以来大作はシネスコあたりまえになってますが日本が誇る「男はつらいよ」は山田監督のこだわりで一貫してシネスコでした)サイズなど様々 なものがあります。
素材的には「シネマ・イン・パラダイス」でもあった非常に燃えやすい素材だったナイトレート・ベースから燃えにくいアセテート・ベースにかわり現在はポリ エチレンテレフタラート・ベース(PETボトルと同じ材料)が主流になってます。どう変化したかというと、ナイトレートからアセテートに移行して燃えない フイルムになり(といっても焦げて穴があきます)ポリエチレンになってからは非常に丈夫になりました。
丈 夫過ぎてまだまだ改良の余地があります。技師的な立場から言えばアセテートは切れやすく、パーフォレーション(脇の穴ぼこの部分)がすぐボロボロになりま したが、ポリの場合強すぎて機械的な事故の場合、機械がフイルムに負けて壊れます。お客様の側に立つってみるととんでもない言い分ですけど、切れてくれた 方がいいんです。
映写についてはいろいろな事故がおきますがこのフイルムが強くなったおかげでたくさんの要因が増えました。
また編集のさいフイルムとフイルムをつなげるのにも、昔は1パーフォぶんカミソリで薬品部分を削ってフイルム・セメントで接着してました、子供の頃映写室で屑フイルムでくっつけて遊んでました。
いまはテーパーという機械でテープでつなげます。(図参照)
でもなんか昔のカミソリで削ってくっつけるのが職人的で僕は好きなんですけどポリはセメントではつきません。なんか味気ないです。

2001年5月2日

奈良屋通信 別冊

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COPPOLAゴー ルデン・ウィーク→花見→酒ということで  ちょっと脱線してお酒の話。 当然奈良屋通信ですから映画が関係しますが、 わたくし非蔵のワインの紹介です。 普通ワインなら秘蔵ですが、すぐ飲んじゃうので 非蔵(いつまでも家にあるわけじゃない)です。 この3本は僕が敬愛するフランシス・フォード・コッポラ が作ってるワインなんです。 最近とんと映画を作らなくなったコッポラですが、カリフォルニアワインの聖地ナパ・ヴァレイでワイン作りに情熱を注いでいたのです! お味のほうは、まさにイタリア!さすが「ゴッドファーザー」の監督、左はじの赤ワインは値段も2000円前後と手軽でカリフォルニア特有の品種ジンファン デルとイタリアワインの代表種サンジョヴェーゼなどを巧みにブレンドした気軽なテーブルワインです。でもワイナリーの親父もいいけどやっぱりコッポラの映 画が見たいですよね。娘のソフィアも「バージン・スー・サイズ」でその才能を開花した今こそフランシスの監督作品を待ちわびる僕です。 [2001.05.2]

2001年4月14日

「フィルムII」

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 これは予告編の箱です。
昔はブリキのフイルム缶に入って来ましたが、今はほとんどがこのボール紙の箱に入って来ます。中身はこんな感じでこれで2分半ぐらいでしょ うか。この予告は新しい予告「NEWプリント」ではなくどっか他の劇場で使った後のお古です。
フイルムには映像を映したり、音を出したりする役目のほかに、現在はコンピュータで映写を管理しているためさまざまな信号をフイルムに貼り付けます。信 号といってもフ イルムのみみのはじに5mmほどの銀紙を貼り付けてるだけですが、それがセンサー を通ると2台映写だと切り替わったり、ビスタサイズからシネマスコープにレンズが変わったり、それにあわせてスクリーンのバリマスク(黒い幕)が広がった り、スク リーン・カーテンが閉じたり、照明がついたりするわけです。
わかりやすいのは映画 を見ているとき右はじ上の方にまるい白い穴がときおり映ります。これはポイントといってつぎのフイルムのつなぎめのタイミングをしらせる穴なんです。この 場所に銀紙をはってタイミング良く1号機から2号機に切り替わるようにしています。
でもNEWプリントならいざしらず、どっかで使ったフイルムで適当にばらして銀紙とかは がしてないと大変です。ですから私の劇場では、どんなに遅くなっても必ずお客様に上映する前にコンピュータに通してテストしています。それでも上映事故は 起きます。 この前「ユリョン」の初日の2回目の上映時いきなり途中から始まったのもこのセンサーのいたずらで、しかも逆転の銀紙がなぜか本編の中ほどについていて巻 き戻しの途中で巻き戻しが止まってしまいあのような結果になりました。[2001.04.14]

2001年3月4日

「フイルム」

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 これは「夢の塊」の中身。フイルムです。
業界用語では「プリント」と呼ばれる劇場用のフイルムは35mm、16mm、80mmがありますが。一般的なのは、この35mmです。この幅35mmの 中にいろいろな情報が組み込まれていますが、光を当てて映像を映し出す部分と、音を出す部分に大別されます。
まず映像の部分ですが、この一コマが24個で一秒の映像になります。白黒がカラーになったことぐらいでこれはもう何十年もかわりません。愕然と変わった のは音を出す部分で、最初は音が出るだけですごかったのにそれがステレオに進化して、その後ドルビー社がドルビーサ ウンドを開発、そこからSR(スペクトラル・レコーディング)と進化してその後、現在のデジタル・サウンドと進化していきました。
しかし現在のところデジタル・サウン ドと呼ばれる映画の音源はドルビー社のSR-DとDTS社のDtsとソニーが開発したSDDSの3種類があります。凄いのは、各社ともこの35mmの限ら れたスペースにみごとに音を貼り付けていることです。ライン(音の入ってる場所)は図にある通りですが、よくもまあこんなとこにあの大音響が張り付いてる もんだと感心します。ここにはもっと普通のひとが知らない秘密があります。続く。

2001年2月24日

「夢の塊」

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 これはなんでしょうか?
これは夢の塊。
そう映画のフイルムです。ちなみにこれは3月3日公開の「偶然の恋人」です。このような形で配給会社のフイルムの倉庫や前に上映していた映画館から送ら れてきます。いまは宅配便で劇場まで届きますが、15年 くらい前までは駅まで持って行って貨物で送ってました。
昔はフイルム本数も限りがありブッキング(上映予定)もキチキチで日程の余裕がなかったので上映が終了したらすぐフイルム缶にしまって駅まで持っていっ たものでした。貨物便で間に合わないときは客車(はつかりとかゆうずるとかに)につんで送り先の劇場に”はつかり3号の4号車”といった感じで電話して 送ったり、国鉄じゃ間に合わない!ときは直接車で持ってたり大変でした。
僕は小さいころから夜の青森駅の雰囲気”とくに貨物”が 好きで必ず劇場の倉内さんや相馬さんにくっついていきました(なつかしいです)。 ケッコウ重たいので今の宅配便の便利さがありがたいです。飛脚さん・クロネコさん ・ペリカンさん・赤帽さん・宅配業者さんいつもいつもご苦労様です。感謝感謝。
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